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♪サッシ替えるなら斫りはおよしよカバーの方がいい 隠しておいた言葉がほろりこぼれてしまう『早かった』

玄関引戸の錠前不具合調整が転じて、本体取替に至ったお話です。

 最初に奥様からお電話を頂いたのは1月12日の金曜日でした。玄関引戸錠の不具合という内容で、まさに不具合事象のチャンピオンです。先ずは、お名前・ご住所・ご連絡先・ふぐ青内容・対応可能日時など一通りお伺いします。玄関錠の不具合ともなると外出できないケースもあるので、即時対応を求められるお客様もいらっしゃいます。が。営業や業務の者も出払っていて、すぐにお伺い出来ない場合もあります。焦るお客様の心中を察しつつもゆっくりとした口調で、お時間を頂くばあいもある事を丁寧に伝えます。後ほど担当者から連絡をさせますと申し述べてから電話応対を済ませます。
 幸いにも今回は営業担当者が在席していたので、直ぐに情報を共有しました。担当者は当日の予定を確認した後、速やかにお客様にアポ電を入れていました。

 何事も初動が大切です。予定が詰まっていていついつ伺えるか不明な場合も、間を置くことなく電話を一本入れておけば、さしおりの猶予を頂くことが出来ます。今すぐにではないけれど、ちゃんと対応しますよ というアピールがお客様に安心・信頼といった感情をもたらしてくれます。逆に初動を誤り、いつ行けるかがわかってから連絡しよう などと連絡を怠れば、焦るお客様の琴線に触れ、事務所へのエマージェンシーコールが鳴りやみません。初動の即☎一本 あなどるなかれ!
 後日担当者にアポ電がどんな内容だったかを尋ねてみました。会話の中ではお客様自ら、経年もあるので錠前交換だけでいいのか と考えていらしたようです。その後もう少しだけ現況を伺い、当日夕方の訪問を伝えました。
 お宅にお伺いすると既にご主人が帰宅されていたので、礼節を重んじて先ずはご挨拶を済ませます。その後は直ちに玄関引戸の状況を確認しました。残念なことに、お客様の危惧は錠前に留まらず、本体まで疲弊が顕在化していました。現況を丁寧に説明した上で、丸ごと取替のお見積りをさせて頂くことになりました。

 取替はお客様の頭の中で既に想定内だったので、ご提案した内容についてはそれ程悩まれる事無く、お電話を頂いてから早や六日目には発注に至りました。1dayリフォームというリシェントならではの強みも当然あります。が、合成アプリを駆使することにより、お客様宅の玄関と新設する玄関引戸のマッチングのイメージングをサポートした担当者グッジョブ ✌です。色々とはめ込みながら、ご家族でデザインや色を あ~でもない こ~でもない とある意味一番楽しいひと時を過ごされた様です。
 取替えに伴い支障が生じるインターーホンは、近隣にお引越しをして貰い、無事1Dayリフォームを済ませました。

 製品は発注後約10日の1月26日に入荷しており、29日に工事を予定していたのですが、諸般の事情により1週間ほど後の2月6日に施工しております。
 後日この写真を撮影した業務担当者からの話では、取替後 お客様が大変喜ばれていた と笑顔で語ってくれました。自分が手を掛けた仕事をお客様から喜んで頂ける まさに至福の瞬間でしょう。
 今回も大変お世話になりました。
 それではまた、どちらかのお宅の事例案内でお会いしましょう。

カーポート 2×2=4台用は欲張りでしょうか?

今回は縦連棟のカーポートに関するご案内です。

 今回は、以前からお世話になっているお客様からのご紹介を頂いたお客様宅での、カーポート設置工事について、ご案内します。
 先ずはお客様に連絡を取り、ご希望の内容についてお伺いしました。現在カーポートは設置されておらず、バイク用のガレージを置かれているとの事でした。今回設置を検討されているカーポートの中に、そのガレージ移設を望まれていました。床も土間コンクリートではなくアスファルト。ガレージ移設とアスファルトは別途工事 という事で、ある程度プランは固まっていました。
 他の工事も同様だとは思いますが、外構工事は現地を見てみなければ設置可能かどうかの判断がつきません。障害になるものが無いとも限りませんので。そこで訪問日時を調整した上で、お宅にお伺いしてみました。

 こちらの敷地は広さ的に申し分なく、車の駐車スペース+バイク用ガレージのスペースを確保してあり余るほどです。2台用の間口6m、奥行は余裕のある6mをWとして6m+6mの縦連棟、いわゆるかけ算の二の段 2×2=4台用のたっぷりサイズです。
 カーポートの下にはバイク用ガレージが滑り込むので、標準柱より20cm背伸びしてロング柱の2.5m、製品色はシュッとした感じのシャイングレー。製品は泣く子も黙るカーポートSW、折版タイプで耐風圧強度も高く、台風が来ても安心して高枕で爆睡を堪能出来ます。
 と、ここまでは全く危惧する点はありません。それどころか時間をかけて製品を絞り込んでいく過程をスキップ出来るので、担当者としては大助かりです。しかし、お天道様はちゃんと見てました。片目をつぶってくれても良さそうですが、あくまでも万人に対して公平でした。

 今回設置するのはカーポートSWです。間口6m・奥行6mの2台用を奥行方向に二つつなげた縦2連棟です。柱は間口方向の両端に各4本の計8本建てます。この柱の頭を奥行方向の横架材=梁でつなぎます。柱の大きさは125×110mm、梁の大きさはそれを上回る120×200mmと、見た目からもその安定感・強度はうかがい知れます。
 住宅の場合には奥行方向の横架材として桁を入れるのですが、SWの場合は桁は入れません。(ちなみに柱の位置決めを容易にするためにオプションとして、奥行方向に入れる横材が準備されていますが、強度を期待出来る程の断面ではありません。)全てのカーポートが同様という程筆者が精通している訳ではありません。が、一般的に奥行方向については、葺く屋根材で強度を確保しているのではないかと思います。屋根材が折版の場合はそれ自体が強度を持っています。ポリカードネートなどを葺く場合はそれ自体の強度は見込めないので、母屋や垂木によって強度を補填しています。
 通常施工の場合は、柱を建て込む際に適正な根入れ寸法も含めた設置高を確認しながら建て込み、建ち・通りを補正します。次に横架材の梁で柱の頭をつないで、間口方向の通りを出します。その後、一枚目の折版と側枠によって、矩のてを出します。この時点で三次元の狂いをなくします。
 ところが、今回は先行して柱だけ建て込み、アスファルト施工とバイク用ガレージ移設後に、梁入れや折版葺きなどの後工事を行なうというお題を頂戴しました。先に梁や折版を施工してしまうと、アスファルト施工時の重機が進入を拒まれます。また、移設の為にガレージを抱えたリフトが、カーポートの手前で門前払いを喰らってしまうからです。計画段階において、担当者とエクステリアの達人としてお馴染みのクマのプーさんとで、再三意見を交わしました。
 そこで柱を建て込んだ後に、重機やリフトの振動により建ちが狂わないよう、柱脚と仮枠をクランプでを入念に固めて、後工事に備えました。
 後工事で再度現場入りするまでは心配で食事が喉を通らず、結果的にダイエットという恩恵を授かる形となった達人。苦心して施した予防策の甲斐もあり、無事カーポート設置工事を終えることが出来ました。流石 達人が達人たる所以ですね。

 お客様としては、多少無茶ぶり感の否めないお題を出されていたので、出来上がりを懸念されていたのではないでしょうか。それだけに、ピシャリと仕上がったカーポートにとてもご満悦の様でした。これからは充実したバイクとのプライベートタイムを、御存分にご堪能下さい。
 今回も大変お世話になりました。担当者・達人と共に。深く御礼を申し上げます。
 それではまた、どちらかのお宅の事例案内でお会いしましょう。

良い家に住めると You can smell cooking from マド

今回のお話は、何やら食欲をそそられそうですよ❣

 冒頭からカタコトの英語なんか使いやがって、バイリンガルってか❓ おひサッシぶりだね 江戸Boy 元気してた? 残念だけど僕が話せるのは ちっご弁 だけだよ。故郷は大事だからね。
 こちらのお宅では、昨年ゴールデンウィークにキッチンの改修工事をされました。6月30日から3日連続で施工事例を紹介していますので、未読の方は是非ググってみて下さい。
 工事後は夕げの食卓も充実し、家族仲良く過ごされていました。
 しかしある時、鼻の利く奥様が工事後の異変に気付かれました。調理中の匂いが隣室のホールに侵入していたのです。侵入経路を探っていると、キッチンを出てすぐの壁に付いているマドが視界に入りました。近付いてみて確信しました。匂いを手引していたのはこのマドでした。流し台の位置変更に伴い排気口の位置が変わり、このマドからの侵入経路が誕生したのです。
 振り返れば筑後 もとい 築後40数年、既設サッシの気密性の非は、認めざるを得ません。ほう助の罪を問うことも出来ず、警察に通報しても民事不介入と門前払いです。

 どうしたものかと悩んだ結果、内窓を設置して足りない気密性を補うことにしました。内窓設置目的の多くは、断熱性向上・結露抑制や騒音対策などだと思い込んでいましたが、よく考えてみると、ご相談でお伺いする会話の中には、すき間風といった重要なキーワードが含まれているのを見過ごしていました。気密性が劣ればどんなにガラスのグレードを上げても効果が薄れてしまいますからね。
 さて、内窓を設置するのであれば、補助金を活用しない手はない。ということで、少し先の3月に申請受付開始予定の窓リノベ24対象を目指しました。一窓だけでは申請下限の5万円に届かないので、吹抜に隣接するFix窓にも内窓を設置することにしました。
 本体色は壁紙を邪魔しないようホワイト、ガラスは眺望を損ねないようLowーEクリアの高断熱仕様で、Fixと開き窓が各一本です。
 内窓を設置される際、既設の外窓は古いものが多いのですが、その大半は引違で、今回の様に引違が一本もないというのはレアケースです。

 申請受付開始前なので、昨年のピーク時からは想像できない程、納期は短くなりました。休みも含めて発注後約二週間で製品入荷です。
 今回は稀なオプションも使われています。一般的な名称はアームストッパー、リクシルさんでの名称は制限アームです。こちらはアーム(腕)の長さに達したら、それ以上開かないようにする補助具です。筆者もサッシ等の積算を入力しますが、過去に入力したことがあったかな と振り返る位レアアイテムです。
 ここで大きな落とし穴に直面します。通常出ないオプションということは、取付ける事も稀です。取付けるには位置決めをして先行孔を開け、固定します。メーカーさんからは ”間違わないでネ!” という配慮から、位置決めシールが同梱されています。憎い心遣いです。間違いを起こしやすいのは、どの起点から〇cmなどという詳細な位置ではありません。内側なのか・外側なのか、その面に対して上なのか・下なのか、右なのか・左なのか 起点を特定する事が重要です。
 危ないところでした。施工後の写真で貼られているシールの位置は間違っていて、そのまま加工していれば一生の汚点となるところでした。如何なる業務遂行時にも励行を厳命されている 三回チェック の賜物です。起点決めに三回、起点からの位置決めに三回 手抜かりなく行い取付けると、嵌張ズッポシはまりました。

 吹抜のFix窓への取付けは高所作業となりましたが、ヘルメットを着用の上、安全第一で任務を遂行し、無事完工です。顔出しNGではありますが現場監督のご家族の方も、適切に取り付けられたか確認する為にカメオ出演されました。
 加工ミスを免れてヒヤリハット体験を経て取付けたインプラス。その後、実力を遺憾なく発揮し、匂いをことごとく返り討ちにしているとのことで、研ぎ澄まされた嗅覚をお持ちの奥様も、大変満足されていました。
 今回も色々と貴重な経験をさせて頂き、有難う御座いました。
 それではまた、どちらかのお宅の事例案内でお会いしましょう。

🎵are you ready塀塀塀塀塀 塀塀塀塀塀 塀 塀 塀 塀 Ah って、お題はフェンスです

 ようやくプランがととのってきました。筆者が担当させて頂いております外構工事プランニングエピソードの第三回目です。

 前回の最後にクイズらしきものを出しておりましたが、タイトルから答えがお分かり頂けたと思います。今回のお題はフェンスですが、こちらの話題については後半に触れさせて頂きます。
 さて、私のつたない案内の為に、なかなか進捗状況は思わしくありませんでした。しかし、パースを描くことでイメージのミスマッチを少しずつ修正して、ようやくお客様の完成イメージに近付いてきました。時間をかけた分、十分にご納得いただいた上で、ご用命を賜りたいと思っております。お客様によってはもどかしいと感じられる方もいらっしゃいます。ですが、少なくとも費用負担をお願いする以上は、時間をかけて最低限検討すべき点があります。また、きちんとお伝えしてご理解して頂く時間も必要となりますので、どうか一つ おサッシ 下さい。

 一つ目のお題であるサイクルポートについては、初動において私のミスリードによりご迷惑をおかけしました。柱脚廻りの外観の違いを重視しすぎて、利便性を軽視してしまいました。双方ともにご説明に留めた上で、その選択はお客様に委ねるべきでした。敷地奥・突当りの提案に対して建物側へのお引越しを望まれました。これは、近いという利点だけではなく、陽が落ちて暗くなった際に、既設の屋外照明では照度が得られないという点でした。著しい思慮不足に赤面です。お客様からの明確なご意向を頂戴して、製品・サイズ・カラー・配置について、ようやく絞り込みに至りました。但し、念には念を という事で、発注前にもう一度現地にて配置や高さを確認しさせて頂きました。この事例を作成しているのは2月3日ですが、本日午前中にお宅に伺いして最終確認を済ませて頂きました。照度不足についてご指摘頂いたのは、その確認の会話の中においてでした。的確なご指摘、有難う御座いました。
 二つ目のお題は敷地奥の雑草対策です。一定の広さがあるだけに悩まれていて、前回ご紹介したご主人の夢以外にも、将来の増築用地としても検討されていました。ご提案したプランの内容は前回詳述した通り、化粧砂利44%・乱形石貼り24%・土間コンクリート32%のコラボです。こちらについても寒さが増した節分に、そのスペースに立って最終のご意向を確認させて頂きました。化粧砂利のエリアをもう少し広くしたら...砂利を人工芝に変えると...など未だ悩まれているご様子でした。検討される内容自体は、納期を必要とするような特殊なものではありません。人工芝のサンプルをお持ちしても良いので、再度時間を設けて検討されては とお勧めしてみました。結果、避暑時のお子様用水浴びプール設置スペースとして土間コンクリートエリア削減反対論が勝り、ご提案した内容に準ずる工事となりました。
 三つ目のお題の植栽跡については、前述の通り複数ご案内をしましたが、敷地奥突当りのエリアと同じく、自然乱形石貼りとなりました。あんまり色々と使ってしまうと目移りするので、統一コーデもよろしいかと存じます。
 以上で、当初の三つのお題はクリアしました。

 お待ち遠さまでした、追加オーダー フェンス のお出ましです。
 外構工事のご相談の際、遮蔽というご要望は少なくありません。しかしながら、遮蔽度が高いほど、眺望という代償を払わなければなりません。フェンスに限らず、ピンポイントの植栽やシェード・目隠し可動ルーバー・ブラインドPG・カーテンやブラインドといった物もありますので、適材適所のご選択をお勧めします。
 今回の遮蔽については、眺望という代償を極力抑えたいという条件付きでした。フェンスで完全に遮蔽する為には、目透かしの少ないタイプを相当高く設置しなければなりません。折角のウッドデッキ越しの見晴らしも、フェンスの裏面で台無しです。
 どんな製品があるかは既に調べておいででした。お題を頂く際に、カタログをめくりながら製品をご案内する中、明確にご希望の内容を確認する事が出来ました。
・両面木調の縦格子タイプで二次元的な遮蔽ではなく三次元の角度による遮蔽
・施工性の良いフリーポールではなく、外観・納まりを重視した間仕切タイプ
 この他に既設フェンスとの調和も課題となります。新築時の横ルーバータイプフェンスは、コンクリートブロック上に設置されていました。今回ご要望の面については、将来のフェンス設置対応としてCBを一段低く積まれていました。フェンスを建て込む際に差し筋でCBを一段増し積みし、同じ高さのフェンスを建て込めば という配慮です。同じ高さでCBを積んでしまうと、フェンスを建てる際に支柱の数だけCBにコア抜き(穴をあけること)が必要となるからです。今回はCBを増し積みせずに、フェンスの高さを一段分高いH=1,000mmとしました。
 暗い・見えないなどの理由から、既設の横ルーバータイプはあまりお気に召さなかったようです。適度にすき間を持った奥行のある縦格子により、正面から見たらある程度覗けるが、角度が付けば遮蔽度が高くなる といったタイプをご所望です。
 全てのご要望を満たす商品は少なく、ご提案した製品については既にご存知でした。製品が高価格帯なので慎重にご案内を進めます。Web上で製品の特性はご理解頂けています。しかし実際の見え方について、完全にイメージするのは難しいでしょう。ご依頼して頂く以上、十分ご理解して頂き工事に臨みたいと考えます。
 賢いPC殿とご利発なCAD様のお力添えにより、真正面・鋭角からの見え方の違いを描写して、お客様にご確認して頂きました。当初はウッドデッキまでと伺っていましたが、最終的にはエアコンの室外機までかかるようにと1スパン(≒1,200mm)のばしました。製品カラーは二色のみで明るめの色でパースを作成していたのですが、こちらも最終確認時にカラーサンプルでご確認頂き、これでお題全てのGOサインを頂戴しました。

 最初のご相談から約四ヶ月、モタモタして申し訳ありませんでした。その分、工事の仔細についてご了承頂けたと確信出来たので、イメージパースに劣らぬ完工となるように、工事に注力する所存です。
 工事スタートは2月5日、エアコン室外機の一時取外しからです。3月中旬に完工予定となりますので、次回の案内では工事の詳細についてご披露させて頂きます。
 投稿の許可を下さり、誠に有難う御座います。
 それではまた、どちらかのお宅の事例案内でお会いしましょう。

あれこれと迷うのも ありです。 迷って悩んで外構工事

前回に引続き、筆者が担当させて頂いております外構工事のエピソードです。

 前回は指に力が入り過ぎて、本題は少ししかご案内出来ませんでした。大変申し訳ありませんでした。今回は脱線無しで駆け抜けますので、遅れないで下さいね。
 一つ目のお題である駐輪場ですが、当初ご希望だった建物側へと配置を変更する事になりました。既設の土間コンクリートをはつる為、柱脚廻りの仕上りが変わります。それを納得の上で、建物に近い配置を選択されました。建物に近い場合、各々固有振動数が異なる為、揺れ方に差異が生じます。当然、適正な離隔寸法をとる必要があります。
 幸い既設の土間コンクリートをはつって柱脚を根巻きするとなると、根巻き寸法は大きくなります。必然的に建物からその分離れる事になるので、離隔寸法を確保出来ます。偏芯基礎部材などを使えば建物に近付けることも可能ですが、お客様にご説明した上で使わない事にしました。

 二つ目のお題の敷地奥の雑草対策ですが、前回まではその一角をサイクルポートが占めていました。ところが、建物隣接部にお引越ししたので、敷地奥は完全にフリースペースとなりました。未だお子様も小さいので、今後どの様に使われたいかに応じて、提案内容も異なってきます。そこで再度、将来も含めた用途をお尋ねしてみました。すると、これまで抑えていらしたのでしょうか ご主人の夢が次第に膨らみ始めて、とうとう溢れ出してきました。
 ご主人は、今すぐにという訳ではないが将来的には大きなバイクを という夢を抱かれていました。そして、念願のバイクを手にした暁には、専用ガレージを設置したいと考えておいででした。食事の時間も忘れて、バイクいじりに夢中になられているご主人の姿が、容易に想像出来ます。
 ご主人の夢をお伺いした以上、実現に向けて協力させて頂きたい との想いから、敷地奥については以下の内容でご提案する事にしました。
・奥の一角を将来対応用の専用ガレージスペースとする。その為にはコンクリートなどで固めず、防草シート+化粧砂利敷均しに留めておく。サイズとしては3坪程度のバイク保管庫の周囲に600~1m程度クリアランスをとる。(敷地奥の≒44%)
・前面道路からは動線が直線的で、落ち着いた雰囲気の通路を経て敷地奥に到達します。敷地奥のゾーンがリラックス出来るプライベートスペースとなる様に、突当りには乱形石を使い、異なる仕上りとなる隣接部とのゾーニングは曲線を配して、柔らかいほんわかとした空間をイメージしました。(同上≒24%)
・化粧砂利敷均しと乱形石貼りエリア間に位置し、両者の仲を取り持つのは土間コンクリート。(同上≒32%)
 以上のトリオでプランを練り、ご提案します。

 三つ目のお題ではCADの技術が劣る点を、カミングアウトしなければなりません。植栽跡の雑草対策について、当初ご希望は方形石貼りでした。しかも、施工後の写真その壱の様な貼り方ではなく、その弐の様な円の形状に合わせた貼り方でした。ところが、私の技量が劣っているばかりに描くことが出来ませんでした。それでも抗って色々と小細工を繰り返し、ようやくその弐程度まではたどり着きました。実際の貼り方には遠く及んでいないのですがサークル状になっているだけ良しとして おサッシ 頂けると幸いです。
 実際の施工時においてもCADの描画と同様となります。方形石をサークル状に貼るとなると、切合わせが増える為に材料のロスが多くなります。同時に職人さんの手間も増える事になります。材料も施工手間も割高となってしまうのです。その点、乱形石をパズルのピースのように適所に配していけば、材料のロスを抑えて文字通り唯一無二の石貼りのアートが完成します。
 この他に、少し色身を帯びた化粧砂利を用いて、洗い出し仕上げとするプランもご案内しました。
 こちらのお宅では、アプローチには少し明るめの方形石を使われていました。アプローチ以外の部分は、コンクリート刷毛引きと洗い出しの2つの異なる仕上げを組合わせてありました。両者ともに落ち着いた雰囲気の仕上りとなっていた為、通路部分には少し色を使った方が良いのでは と感じました。しかし、どうやらこれは私の思い違いだったようです。
 色味としては華やか・艶やかといった類ではなく、華美を廃し清楚で気品がある類を好まれていらした様です。
 ご意向を確認した結果、落ち着いた色の石貼りを希望されました。方形石のサークル貼りと乱形石貼りの二つについて検討されたいとの事でした。
 様々なご案内に対しても興味の有り無しが不明 といったパターンに陥ると、次はどの様な提案にしようかと頭痛の種となります。しかし、この様に明確にご意向を示して頂けると、提案する側としてはとても助かります。後は、この二つについてパースによって違いをイメージして頂き、それに対する対価をご提示させて頂き、どちらを選択されるか委ねるだけとなりますので。

 一つ目のお題はほぼクリア出来ました。二つ目・三つ目については、明確なご要望を伺うことが出来たので、次回の宿題の詳細もはっきりとしました。
 次回のご提案までガンバロー とやる気が充実したところで、更なるお題を頂戴しました。このお題については、また次の回に詳述させて頂きます。えっ、ヒントが欲しいんですか?仕方がないですね~。ちょっとだけですよ。ヒントは 塀 です。
 それではまた、次回こちらのお宅の続編のご案内でお会いしましょう。