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華麗なる舞いと流麗なる謡いが織りなす伝統芸能 埃舞う事無く音発する事小さきカバー工法のリシェント

今回は玄関引戸の取替工事をご紹介します。

 こちらのお宅を訪れると、趣のある木製引違戸がお出迎えしてくれました。本体の障子は横格子、はめ殺しの上部ランマは縦格子。障子は引手彫りされていて、この彫り込みそのものが手掛けとなります。鍵は内締りのみで、こちらも最近見かけなくなった丸球捻締り錠。この錠については、今年1月10日に紹介した面格子付サッシの事例の中で少しだけ触れていますので、未読の方は是非覗いてみて下さい。
 それにしても歴史を感じさせる玄関です。さて、今回はこの玄関引戸の引退に関わる事になりました。長らくこのお宅を守り続け、お客様を出迎え・お見送りしてきた玄関引戸。感謝の気持ちを込めて、長年の労をねぎらい、勇退を見届けましょう。

 こちらのご主人とは以前からお付合いさせて頂いておりました。昨年九月末、ご主人から事務所にお電話を頂きました。ランドリースペースをご所望とのことで、お宅にお伺いして詳しくお話を伺いました。
 設置位置も含めて色々なご要望を伺いました。単に屋根をかけるテラスの場合は、風による影響で雨が降り込むこともあります。完璧を目指すのであれば、テラスの周りを囲うテラス囲いのサニージュとなります。早速ご要望に沿ったプランを作成し、ご提案にお伺いしました。但し残念な事に、納まり上、雨水の侵入の懸念を払拭出来ず、それならば今回の話は見送ろう と、工事には至りませんでした。
 時は流れて今年三月、ご主人からお声が掛かりました。お宅を訪ねてみると、玄関引戸取替についてのお話でした。実は、昨年サニージュを提案する際に、玄関引戸の取替もお勧めして、一緒に見積書をお渡ししておりました。取替について再度検討したいが見積書をなくしたので、もう一度見積をお願いしたい という内容でした。
 製品のイメージを身近に感じて頂くために、今回も合成アプリを駆使しました。色は迷うことなく重厚感満載の柿渋調の一択でした。しかし、本体のデザインで迷われていました。基本は縦格子です。細いスリットのP11:千本格子、広い巾でどっしり感のあるP14:板子格子、細い縦格子が基調ですが一定間隔で横格子を組み合わせたP24:柳格子。迷われた結果、P14:板子格子に決定です。

 半年ほど迷われてお声掛け頂いたので、お声掛け頂いてからご用命にいたるまでに、さほど時間は掛かりませんでした。合成アプリでデザインをご案内してから一週間後には発注に至りました。
 最近の場合、既設がランマ付でもランマ無しを選ばれる方が多いのですが、ご主人はランマにこだわりを持っていらっしゃいました。確かに本体障子の板子格子とランマの細格子のマッチングは、なかなかに絶妙です。
 また、下枠の立上りを緩和する為の、ゴム製の下枠段差緩和材は端部切欠ぎも含めてパーフェクトです。
 朝から始めた工事は順調に捗り、無事1Dayリフォーム終了です。なんてったって工事を手掛けたのは、我らがスーパーヒーロー 大工さん ですから👆 左右で2cm違う下枠段差緩和材の切欠ぎを逆に加工 なんてケアレスミスはしませんよ。

 開口寸法は少し小さくなりましたが、枠・障子・ランマ・鍵・レールなど、全てがおにゅう のピカピカです。合成アプリの我が家とのはめ込み画像でイメージはされていましたが、予想以上の仕上りに、ご主人も御満悦のご様子でした。実はこちらのご主人、日本の伝統芸能を支えるお仕事をされていまして、沢山のお弟子さんがいらっしゃるそうです。きっと、師匠 なんて呼ばれていらっしゃるのでしょうね。師匠とか先生 なんて一度でいいから呼ばれてみたいものです。
 今回も大変お世話になりました。新しくなった玄関引戸 鍵が沢山装備されていますので、これからは安心ですね。
 それではまた、どちらかのお宅の事例案内でお会いしましょう。