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ヒンジが瀕死😩 必死は必至

扉が外れそうなので見に来て欲しい との連絡を受けて、サイレンは付いてないけど、ちゃっちゃと現地に向かいました。

 ”今回のタイトル 一体全体どうなってんだぁ~?” ってお尋ねの貴方 そこは社名にあります通り おサッシ下さい と直滑降でスベったところで本題に入ります。
 今回御連絡を頂いた建物ですが、一年位前に出入口の親子ドアの親扉のフロアーヒンジ交換でお世話になっていました。フロアーヒンジとは、床下に埋設されたケースの中で孤軍奮闘し、扉を支持しながら開閉スピードを調整する建具金物で、一般住宅では見かけませんが、テンパドアなど重い扉に使われます。当時の交換の際は、ケースも腐食していたので、ケースごと交換となりました。ケースに支障がない場合は本体のみの交換で済むので、ケースの製品代だけではなく、ケース廻りのハツリ飛ばし・交換後の周囲の復旧といった作業が不要となるので、お財布にも優しく、工期も短くて済みます。

 現地に着いてお客様に一声かけてから、外れそうだという扉へと向かいました。
 対象は前回の親扉のつれあいの子扉で、この出入口を通らないと中に入って声を掛ける事が出来ないので、対象箇所の案内は不要でした。前回見た時は、未だもちそうだったのですが、ひょっとしたら最後の力を振り絞っていたのかもしれません。
 子扉は既に相当ヤバい状態の様で、扉の内外をCBで挟み込んで、扉が外れるのを防いでいました。事故や怪我とならないように配慮しながら扉を外し、部品の交換を即決しました。築30年を超える建物で取付ける位置も雨掛かりとなる為、経年劣化は否めません。使用頻度によっても異なるようですが、前回交換したフロアーヒンジで10~20年、今回交換を即決したピボットヒンジの場合は15年位でのメンテ依頼が多いようです。
 そもそも英語ではヒンジ(Hinge)と呼ばれる蝶番は、その姿が蝶々に似ており、羽と軸のふたつが融合して一組となる番(つがい)というのが蝶番(ちょうつがい)という名称の所以のようです。蝶番は仏具として日本に入ってきたといわれているそうです。
 さて、ピボットヒンジとは何ぞや 例えるなら前回のフロアーヒンジがお兄ちゃんとするなら弟といったところでしょうか。フロアーヒンジよりも少し軽い扉に使われます。今回も対象は前回の親扉よりも軽量の子扉です。ピボットヒンジは軸吊り丁番・Pヒンジとも呼ばれ、扉の上端と下端に取付けて上下軸を支点に開閉をサポートします。皆さんがよくご存知の丁番は、人体で云うと肩とくるぶしに付いていて、扉を閉じればわずかに軸の部分だけがコンニチワしています。ピボットヒンジの場合は、脳天と足の裏に付いていて、今回は扉の真上と真下で軸を形成する中心吊ですが、軸を扉の外に出す持出吊もあります。

 今回は、ヒンジだけではなく落しも交換しました。万有引力が示す通り、上で支えるよりも下の負荷の方が大きく、交換するのは下の部品です。ピボットヒンジが青息吐息の状態ですからフランス落しも被害を被っています。
 またまた、フランス落しとは何ぞや 不確かですが、洋風建築でよく見かけるフランス窓(ガラス入りの両開き扉 ロミオとジュリエットが愛を語るシーンを思い浮かべて下さい)に付けた扉の閉状態を保持する為に用いた金物だからという説があるそうです。
 フランス落しは本体と落し棒が一体のものと分かれているものがあり、一般住宅の室内木建具では上端と下端に取付けるので、落し棒の長さが一定の一体型が使われますが、今回のような扉の場合は本体を取付ける位置によって棒の必要長が異なるので、分割発注となります。こちらも丁番と違わずつがいの部品なので、本体に合うロッド棒を探さなければなりません。
 既設の物に対してマッチする部品を探すのは一仕事で、本体の外形寸法・取付ビスピッチ・へりあき寸法、適合するロッド棒とその長さなど探偵さながらです。
 それでも、時間をかけて使用に耐えうるスペックの部品を特定し、現場で交換し上手くハマった時の歓びは汗したものにしか味わえないのです。

 お見えになった方がケガなどされたら と危惧されて、扉をCBで閉状態を保持し子扉の開閉を自粛されていましたが、子扉にもようやく新しいアシスタントが就任し、一安心のお客様でした。
 扉を吊り込んでしまえば、世間様の目に触れることなくひたすら耐え忍ぶヒンジ。
 たまには謝意を伝えてみては如何でしょうか?
 きっと地下室で照れ笑いしてくれまョ!

推しの戸

今回は飼われているペットの為に、木製片引戸をアルミと樹脂を融合させたハイブリッドドアに取替えた際のお話しです。

 こちらのお宅では猫を飼われていました。
 どんな猫って?子豹を思わす豪華な毛をまとった、ベンガル猫です。マッチョなボディにシルクを思わせる手触り、野性味溢れる外観に反して愛想が良く温和、注いだ愛情を倍返ししてくれるというペットの鏡的存在で、毛色や模様によっては希少な故に、入手が難しいそうです。っていつからネコ専門店に商売替えしたの?って、まあそうおっしゃらずに、動物好きに悪い人はいないって云うじゃないですか!
 今回のご依頼にはこの猫さんも一枚かんでいて、居室から車庫への通用口は木製片引戸で隔ててありましたが、開けたままだと溺愛する猫さんが出て行ってしまうので、開けっ放しにも出来ない、でも採風はしたい という二律背反的願望をお持ちでした。

 ご希望の通用口を覗かせて頂くと、採光タイプの片引戸が付いていました。
 猫さんにとってはこの引戸が、ウォールローゼ、車庫の入口がウォールマリアとなっていたのでしょうか?
 キーパンチしていてふと気になったのですが、猫さんは普段どんな物を食べているのでしょうか?盆や正月でもないのに、きっと私には手が出ないような高価な缶詰などを食していたのでしょう。エンゲル係数が高い私などとは比較出来ないほどの贅沢な食事を...。
 寄り道はこれ位にして本題に戻ると、既設の枠はそのままで良いとの事で、片引の戸先側の縦枠から方立間にかけて、木枠と同面になるように下地を造作し、そこにサッシ枠をはめ込むのが最適と判断しお客様に提案しました。
 これによりお客様の二つの願いは叶うので提案を受入れて頂きました。
 工事当日はダブルヘッダーとなっていて、午前中はこのお客様所有の借家において、勝手口ドアを取替を済ませました。リシェントをお勧めしたのですが、2~3年後には解体されるとのことで、ロンカラーガラスドアへの取替となりました。

 午後はご自宅で、通用口ドアの取付です。
 養生を済ませると、先ずは木下地の造作しクリアランス内の開口寸法である事を確認します。
 次に造作した下地部分にサッシ枠をはめ込み、タチ・ロクを確認して枠を固定します。
 枠を取付けた後は、障子の吊り込みです。この段階では網付きの格子は未だ取付けていません。網付格子は網戸や硝子の清掃に配慮して、着脱出来るようになっています。
 調整・清掃・片付の後、お客様への取扱い説明を済ませ、お客様に工事内容を確認して頂くと、本日二試合目もゲームセットです。
 お疲れ様でした。机のPCで入力する文字ほど簡単な作業ではないので、現業の方には頭が上がりません。毎日ご苦労様です。

 工事終了後の製品説明の後は、お客様に自家製のアイスコーヒーを出して頂き、喉を潤しながら、愛してやまない猫さんのお話を拝聴しました。
 工事内容にとてもご満足いただけたようで会社に引き揚げる前に、”また何かありましたらお声掛けをお願いします。”とお伝えして会社に引き揚げました。
 最近良いカメラマンが入り、ネタをガンガン提供してくれるので、投稿するのもなかなか辛いものがあります。
 パソコンがストライキでも起こしてくれると有難いのですが...

売れ筋のリシェント 替えるかは迷い 中略  替えろ君~ 住み慣れたウチ このリシェントに替え~ろよ~

今回は玄関から採風したいというご依頼を を頂いたお客様のお話です。

 こちらのお客様とは大工さんを通してお仕事をしておりましたが、寄る年波に抗うこと叶わず、大工さんが廃業されてからは、直接ご依頼を賜るようになりました。
 クリーンという言葉とはかけ離れたイメージで、肉体的にも結構しんどい建設業には、なかなか若者が長続きせず、高齢化の波が押し寄せていて、後継者不在を嘆かれています。
 一方、一般のユーザーさんからも、建てた大工さんはもうやめられていて、何処に頼んでいいかわからないという声をよく耳にします。次の世代を担ってくれる若者を、どの様にして育成・定着させていくかは、建設業にとって大きな課題と言えます。

 お客様の御要望は、玄関から採風したいというものでした。
既存の玄関ドアは外見は今風とは言い難いのですが、大切に使われているのが一見してわかる状態で、こういった所からもお客様の人となりをうかがい知ることが出来ます。
 既存ドアの状態から、後付けの網戸を検討されているのかと思ったのですが、採風機能付きドアへの丸ごと取替を希望されていました。
 確かに、玄関はジメジメした湿気や臭いがこもりがちで、かと言って流石にドアを開けっ放しで換気するのは不安です。本体に採風機能が付いていれば、ドアの鍵を閉めたまま採風出来る上、採風部の格子で外から手を差し込むのを防ぐ為、防犯対策上も万全です。
 という訳で、採風機能付きドアの製品でお見積りする事になりました。

 ではハツリとカバー、どちらの工法の製品を提案するかですが、その優れた施工性により短工期=1dayリフォームを可能とするカバー工法のリシェントをお勧めすることにしました。
 玄関の場合、建物内の出入りに欠かせないので、日をまたぐ工事の場合、勝手口など別の開口での代替を強いることになります。
 また、その期間中は終業時の養生と、作業開始時の養生撤去を繰り返さなければなりません。さらに、お客様によっては、工事期間中は外出を控えたい、休憩時にはお茶出しが...という方もいらっしゃるのです。
 カバー工法の場合、短工期で済み、養生も簡易で済みます。そして、大事な事がもう一つ、工事に携わる業種が少ないという点です。
 これにより、工事管理省力化や短工期を実現出来ます。
 その分サッシ工事に特化した専門性が不可欠で、サッシ専門店にしか出来ない工事なのです。
 プレゼンテーションではリシェントを提案し、そう迷われる事もなく御用命して頂きました。
 今回の場合、工事に関しては施工上支障となる点もなく、一人一日程度で何事もなく終えることが出来ました。

 この事例を入力する前に、工事に携わった社員に話を聴いたのですが、工事終了後のお客様は満足気な笑顔で玄関ドアをじっと眺めていらしたそうです。
 そして、社員が一声かけると ”担当者に全部任せているから” と営業担当者が泣いて喜ぶ一言。
 お客様から全幅の信頼を寄せて頂き仕事冥利に尽きる とはこういう事でしょうか?
 少し、担当者がうらやましく思えました。(人間小っちゃ! オレ!)

たかが戸車 されど戸車

今回は、問合せ件数で錠前と一二を争う 噂に名高き部品 ”戸車” のお話です。

”玄関引戸の動きが悪いので見に来て欲しい”との連絡を頂き、早速お宅にお伺いして玄関引戸の具合をみせて頂きました。動きが悪く重い=過労で消耗し尽くした戸車によく見られる、引退前あるある です。
戸車にも寿命があり、写真からも見てとれる様に、もう悲鳴を上げていて、TKO寸前です。戸車がこの状態になっているので、当然サッシ本体も大分お疲れモードに入っていました。
お客様に現状を詳述してカバー工法のリシェントでの取替を勧めてみましたが、今回はそこまでお金を掛けられないということで、とりあえず部品を探してみる事になりました。

付いていたサッシはアルナ工機というメーカーの製品でした。阪急電鉄の子会社:ナニワ工機として設立され鉄道車両やアルミサッシなどの製造を手掛ました。1950年代鉄道車両、船舶、建築用のアルミサッシを開発、販売を開始し、NK(ナニワ)式窓はこの分野で圧倒的シェアを獲得しました。
1960年頃から住宅用建材分野に参入し、アルミのナニワを略した商標のアルナをアルナサッシのブランド名としました。業績好調だった1970年には商標を社名としてアルナ工機株式会社と改称しました。
しかし、1990年に採算面を理由として建材部門はトーヨーサッシ(後のトステム、現LIXIL)に吸収されています。
という訳で、メーカー純正戸車は現存していないので、適合する汎用品を使う事になりました。

昔は沢山あったサッシメーカーですが今では激減していて、存在しないメーカーの部品探しは、なかなか手間暇がかかります。特に、今回は溝幅が大きかったのでフラットバーと両面テープを駆使して汎用戸車を取付けました。
出入口を出入りする際には、必ず開閉が欠かせないという過酷な使用頻度で戸の重量を支え続けています。汎用品なので純正品ほどの長持ちはしない様です。
次回は丸っと取替のご検討を、再度御提案させて頂きます。

ピッカピカの真新しい戸車に取替えたら、戸の動きが良くなり過ぎて、開けてはならない内障子を開けてしまいました。過ぎたるは及ばざるがごとし 開閉がスムースになり過ぎるのも、良し悪しです。
お客様、申し訳ありませんでした。滑りが良くなっておりますので、お気を付け下さい。

今回は部品だけに パーッ といこ~か! 2023 夏

今回は新設の玄関ドア(カメオ出演)に戸当りを 取付けた際のお話です。

建物には開口部があり、出入りする際に取付けてある戸を開閉します。たまに、開けっ放しのお行儀のよくない方を見かけますが、茨城の方から ”けつぬけ” と罵倒されない様にお気を付けて下さい。
こちらの建物には二箇所の玄関ドアを設置しており、二箇所ともドアクローザーを取付けています。ドアクローザーには、ドアが開く方に強風や外力が加わった時に、急激にドアが開くのを制御するバックチェック機能というものがあります。しかし、風の強さによっては扉があおられてしまうこともあるので、扉のレバーハンドルが外壁にゴツンするのを防ぐ為、戸当りを取付けました。
一口に戸当りと云っても色んな種類の物があります。

戸当りの種類は豊富で、枠付き、建具付き、壁付き・巾木付き、床付き と取付ける場所も様々で、フックやキャッチ付きの物であれば、開いた状態を維持する事が出来ます。
壁面や床面への取付だと邪魔になることもあり、特に床面の場合は掃除がし辛い、ゴミが溜まりやすくなったりと一長一短なので、取付場所や室用途を十分把握したうえで、適したタイプを選定する事が重要です。
今回取付けたのは床付きタイプです。
床付きには今回のタイプの様に、シンプルに衝突を回避するタイプの物や、フック付きの物があり、今回はフック無しです。

製品の取付には受け材が必要で、受け材の取付けは先付けとあと付けに大別されます。一般的には、構造体を施工する際にアンカー類を設ける方が信頼性が高く、受け材の取付けは先付け方式が原則となっていて、打Con時の田植えの様なアンカーセットが代表例です。ただし、変更やミスで値が張るケミカルアンカーも使うし、今回の様な戸当り程度であれば、あと施工アンカーとなります。まあ、こちらの方が精度を確保しやすいので、今回もあと施工アンカータイプの製品でした。
あと施工アンカーは、母材にあとから孔をあけてアンカーを埋け込むもので金属系、接着系、その他のアンカーと穿孔する孔は深くないのですが、奥がとっても深いのです。
今回は、あと付け方式⇒施工アンカー⇒金属系アンカー⇒金属拡張アンカー⇒芯棒打込み式という、何やら家系図様になってきましたが、穿孔時の留意点は共通で、穿孔位置の精度、穿孔面に対して垂直の孔、穿孔時・穿孔後の切粉の除去、穿孔深さと孔径に適したドリル径の選定など、万全な下準備を必要としますが、実際の施工自体はそれほど時間がかかりません。手抜きをせず事前に準備を整えておけば、写真の様に短時間で取付け完了です。
カメオ出演の玄関ドアと異なり、中々スポットライトを浴びることの無い部品ですが、その深遠さは計り知れません。
暑い夏に、熱く語ってしまい、ご迷惑をお掛け致しました。