記事一覧

カーポート 2×2=4台用は欲張りでしょうか?

今回は縦連棟のカーポートに関するご案内です。

 今回は、以前からお世話になっているお客様からのご紹介を頂いたお客様宅での、カーポート設置工事について、ご案内します。
 先ずはお客様に連絡を取り、ご希望の内容についてお伺いしました。現在カーポートは設置されておらず、バイク用のガレージを置かれているとの事でした。今回設置を検討されているカーポートの中に、そのガレージ移設を望まれていました。床も土間コンクリートではなくアスファルト。ガレージ移設とアスファルトは別途工事 という事で、ある程度プランは固まっていました。
 他の工事も同様だとは思いますが、外構工事は現地を見てみなければ設置可能かどうかの判断がつきません。障害になるものが無いとも限りませんので。そこで訪問日時を調整した上で、お宅にお伺いしてみました。

 こちらの敷地は広さ的に申し分なく、車の駐車スペース+バイク用ガレージのスペースを確保してあり余るほどです。2台用の間口6m、奥行は余裕のある6mをWとして6m+6mの縦連棟、いわゆるかけ算の二の段 2×2=4台用のたっぷりサイズです。
 カーポートの下にはバイク用ガレージが滑り込むので、標準柱より20cm背伸びしてロング柱の2.5m、製品色はシュッとした感じのシャイングレー。製品は泣く子も黙るカーポートSW、折版タイプで耐風圧強度も高く、台風が来ても安心して高枕で爆睡を堪能出来ます。
 と、ここまでは全く危惧する点はありません。それどころか時間をかけて製品を絞り込んでいく過程をスキップ出来るので、担当者としては大助かりです。しかし、お天道様はちゃんと見てました。片目をつぶってくれても良さそうですが、あくまでも万人に対して公平でした。

 今回設置するのはカーポートSWです。間口6m・奥行6mの2台用を奥行方向に二つつなげた縦2連棟です。柱は間口方向の両端に各4本の計8本建てます。この柱の頭を奥行方向の横架材=梁でつなぎます。柱の大きさは125×110mm、梁の大きさはそれを上回る120×200mmと、見た目からもその安定感・強度はうかがい知れます。
 住宅の場合には奥行方向の横架材として桁を入れるのですが、SWの場合は桁は入れません。(ちなみに柱の位置決めを容易にするためにオプションとして、奥行方向に入れる横材が準備されていますが、強度を期待出来る程の断面ではありません。)全てのカーポートが同様という程筆者が精通している訳ではありません。が、一般的に奥行方向については、葺く屋根材で強度を確保しているのではないかと思います。屋根材が折版の場合はそれ自体が強度を持っています。ポリカードネートなどを葺く場合はそれ自体の強度は見込めないので、母屋や垂木によって強度を補填しています。
 通常施工の場合は、柱を建て込む際に適正な根入れ寸法も含めた設置高を確認しながら建て込み、建ち・通りを補正します。次に横架材の梁で柱の頭をつないで、間口方向の通りを出します。その後、一枚目の折版と側枠によって、矩のてを出します。この時点で三次元の狂いをなくします。
 ところが、今回は先行して柱だけ建て込み、アスファルト施工とバイク用ガレージ移設後に、梁入れや折版葺きなどの後工事を行なうというお題を頂戴しました。先に梁や折版を施工してしまうと、アスファルト施工時の重機が進入を拒まれます。また、移設の為にガレージを抱えたリフトが、カーポートの手前で門前払いを喰らってしまうからです。計画段階において、担当者とエクステリアの達人としてお馴染みのクマのプーさんとで、再三意見を交わしました。
 そこで柱を建て込んだ後に、重機やリフトの振動により建ちが狂わないよう、柱脚と仮枠をクランプでを入念に固めて、後工事に備えました。
 後工事で再度現場入りするまでは心配で食事が喉を通らず、結果的にダイエットという恩恵を授かる形となった達人。苦心して施した予防策の甲斐もあり、無事カーポート設置工事を終えることが出来ました。流石 達人が達人たる所以ですね。

 お客様としては、多少無茶ぶり感の否めないお題を出されていたので、出来上がりを懸念されていたのではないでしょうか。それだけに、ピシャリと仕上がったカーポートにとてもご満悦の様でした。これからは充実したバイクとのプライベートタイムを、御存分にご堪能下さい。
 今回も大変お世話になりました。担当者・達人と共に。深く御礼を申し上げます。
 それではまた、どちらかのお宅の事例案内でお会いしましょう。